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パナマ文書その後所感

世界を騒がせたパナマ文書騒動からもう4か月が経過しました。

日本での世界情勢ネタとしては、イギリスのEU脱退に完全にかき消されたような印象ですが、まだまだくすぶり続けているようです。

多国籍企業、有名政治家やスポーツ選手、俳優などがペーパーカンパニーを設立し租税回避のほか、蓄財したり、様々な取引に利用しているということで大騒ぎになりました。マスコミ報道にとっても格好の材料でした。
顧客名がエクセルで提供されていたこともあり、私どもも念のため弊社クライアントが含まれていないか目を通しましたが、幸いにも含まれていませんでした。一説によると、香港でこういったペーパーカンパニーが銀行口座付きで売買されており、しかも銀行口座はオフショアの本人確認の緩い銀行が使用されているそうです。

私どもの会計事務所でも証券化の案件で租税回避地、例えば英国領ケイマン諸島を使ったスキームも多々あります。それ自体違法性が問われることはないですが税優遇措置を設けることで新たな海外投資を呼び込みたい新興国と、それらを利用し複雑化することで規制の強化に追いつかなくしようとする利用者での思惑が一致し、今後も租税回避地はなくならないというのが一般的な見解のようです。

ただ、確かにこういった報道が流れると、掲載されているというだけでグレーならぬ黒との疑いがかかります。関与しているというだけで信用失墜は逃れないでしょう。また大々的に報道されて実名リストが税務当局の知るところになれば、税逃れか否かの判断のためにもいろいろと調査が入るはずです。

オフショア投資で税務上のメリットは享受できたとしても最近の報道の偏りなどを見ていると、ネット上でバッシングされることも多々あり、税金とは違うコストとして重くのしかかります。掲載された方は少なくとも胃が痛いはずです。現にアイスランドの首相はこのケースで罷免にまで追い込まれました。考えるべきは税金だけではなく、脱税に加担しているという世間からのレッテルや心理的負担を含めたトータルコストのマネジメントというべきでしょう。

  • 代表取締役社長
  • 公認会計士・税理士
  • 松澤 和浩

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