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税制の三原則

税制の三原則は「公平・中立・簡素」と言われています。同等の経済力のある人に等しい負担を求める公平、個人や企業の様々な経済活動に対しての中立、制度の理解を容易にするための簡素、憲法で納税の義務を定めていますので、税制の根幹はこの三原則に支えられていることによって納税者の支持を得られるのではないかと思います。

租税特別措置法は、その時代の社会経済状況の合わせて一定の目的を達成するために設けられる特別な法律であり、税制三原則「公平・中立・簡素」の例外と言われています。少子高齢化が進み産業構造の転換などを推し進める政策手段の一つとして、また東日本大震災のような災害復興支援のために租税特別措置が設けられています。近年の法人税改正は諸外国と比較して高率と言われる法人税率を逓減しつつ課税ベースの拡大を図る方向を目指していますので、数ある租税特別措置もその効果等を測定して縮小又は廃止される方向にあります。

資産流動化・証券化分野で活用されている特定目的会社や投資法人は、多様な投資商品の提供を可能にし、資金供給を円滑化することを目的として平成10年に誕生した法人形態です。租税特別措置法の定めにより一定の要件を満たせば支払配当金を損金算入し、ビークルと投資家間の2重課税を排除する機能があります。これらの特別措置がどれくらい活用されているかご存知でしょうか?

特別措置 平成23年度 平成24年度 平成25年度
適用件数 適用総額
(億円)
適用件数 適用総額
(億円)
適用件数 適用総額
(億円)
特定目的会社 428 1,548 501 2,660 489 2,870
投資法人 71 1,580 76 1,960 90 2,542

上記は平成27年10月に会計検査院が「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」に基づき、租税特別措置の実態調査した結果を国会へ提出した「報告書」からの抜粋です。400件超の安定した適用件数で、特定目的会社による投資活動が浸透していることがうかがわれます。適用総額は3年間で約1千億円超の増加がみられますので、平成24年から利益確定による売却が進んできているのではないかと推測できます。

ちなみに適用件数、適用金額のトップは「中小企業者等の法人税率の特例」であり、平成25年度では適用件数約74万件、適用総額約2兆7千億円でした。減収額の尺度では「試験研究を行った場合の法人税額の特別控除」が6,240億円で、3年間で2倍強の伸びとなっています。

「公平・中立・簡素」の例外として数多くの租税特別措置が様々な政策目的を達成するために置かれていることが「報告書」からわかります。毎年の税制改正のみならず、その運用状況に関心を寄せることも税の仕事をする身として必要であると感じます。法人税申告書に添付する「適用額明細書」がしっかり活用されておりますので。

  • パートナー
  • 執行役員
  • 税理士
  • 宮里 猛

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